箱島神社〜福岡県糸島市の神社巡り②

2021/09/17

アマビエ 糸島 神社仏閣 日本の歴史 箱島神社 福岡



 

箱島神社〔箱島様〕




【所在地】


福岡県糸島市二丈浜窪




【御祭神】


塞坐三柱大神

(サヤリマスミハシラノオオカミ)


西宮大明神(西宮恵比須)

(ニシノミヤダイミョウジン)


愛染明王

(アイゼンミョウオウ)




【由緒と歴史】


塞坐三柱大神とは、八衢比古神(ヤチマタヒコノカミ)・八衢比売神(ヤチマタヒメノカミ)・久那戸神(クナドノカミ)のこと。

この三神は道祖神で、村境や峠等に祀られ、禍津神(マガツカミ)の侵入・外からの疫病や悪霊を防ぎ、村中を守る神様。

西宮大明神は、兵庫県西宮市鎮座の西宮神宮(西宮恵比須)の神様で、主祭神は蛭児大神(ヒルコノオオカミ)。

恵比須様は、世を救う神・大漁の神として、海産物を交易する市場・商店の守り神として信仰され、更に商売繁盛の神としての信仰が全国的に広がっていった。

愛染明王は、奈良県西大寺に本山があり、真言密教の神、愛欲を本体とする愛の神。

近世では、恋愛を助け、遊女を守る神としても信仰され、「この明王を信仰すると美貌になると信じられていた」と言う。

箱島神社には、火吹き竹が奉納されているが、火吹き竹で耳を吹けば、耳の病が治癒すると伝えられている。

大祓詞の祝詞では、瀬織津姫(セオリツヒメ)や速秋津比売(ハヤアキツヒメ)が、水の流れで罪・穢れを祓う。

箱島神社が海の上に鎮座し、道祖神を祀り、禍津神・悪霊・疫病の侵入を防いでいるのも、水の流れで罪・穢れを祓っているのだろう。




【アマビエ】


由緒の「恋愛を助け、遊女を守る神」を見て、アマビエの話を思い出した。

アマビエの真実は、とても切ないお話だ。

次の話を聞いて、私はアマビエが好きになった。



アマビエは遊女だった。

説明のため、この遊女の名前をアマビエとする。

疫病が流行り、アマビエのいる遊郭も、ついに遊女が疫病になった。

1人…また1人と…周りの遊女達が疫病になっていく。

疫病になった遊女達は隔離されるか、死んでいった。

「あぁ…とうとう私もなってしまったようだ…」

アマビエも疫病になってしまう。

「大好きな旦那様が来る日だ。旦那様に会いたい。でもうつしてはいけない」

アマビエは海に身投げした。

「一度でいいから旦那様に会いたい」

身投げをしたアマビエの魂は小魚になった。

それを大きな魚が食べ、アマビエの魂は大きな魚になった。

今度はそれを鳥が食べ、アマビエの魂は鳥になり……今のアマビエの姿となる。

そして、身投げした場所から遠く離れた熊本の海に現れた。

アマビエは、豊作と疫病の流行などを予言し、少しそそのかして言った。

「疫病対策を教える代わりに、私をある場所に連れて行きなさい」

疫病対策は、アマビエの姿を書き写すこと。

ある場所とは、大好きな旦那様が居た場所。

そして、アマビエは旦那様の居た場所に連れて行ってもらった。

永い時が経ち、旦那様はとうの昔に亡くなっているのに…。

それでもアマビエは、大好きな旦那様に会いたくて、その場所に行けるだけでもよかった。




【おわりに】


箱島神社は駐車場がない。

周辺一帯は駐車禁止。

加布里公園に駐車し、徒歩9分で箱島神社に着く。

箱島神社は、加布里湾に浮かぶ小島に鎮座している。

塩の満ち引きに関係なく行ける。

恋愛の神様として、若い人たちに人気だそうだ。

小島に登り、神社から眺める景色が美しい。

海・小島・鳥居・山のコントラストが美しい。

箱島神社は、アマビエの話を思わせる神様達を祀っている神社だった。

アマビエの姿と伝承から、納得できるアマビエの正体を書いているものは案外少ない。



今回訪れた福岡県糸島市の神社⇩


櫻井神社』

https://keipandkeip.blogspot.com/2021/10/blog-post.html


『雷神社』

https://keipandkeip.blogspot.com/2021/09/blog-post_30.html


『高祖神社』

https://keipandkeip.blogspot.com/2021/09/blog-post_22.html


『神在神社』

https://keipandkeip.blogspot.com/2021/09/blog-post_14.html